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- Frequent Asked Questions-
《手作りコスメ ~基礎化粧品編》


*****【手作りコスメに関する質問】*************

Q1.アロマウォーターとは、何ですか?

Q2.アロマウォーター、手作りローションの使用期限について教えてください。

Q15.E-Conceptionのアロマウォーターには保存剤が加えられていますか?

Q3.肌は脂分で出来ているので、オイルなどの媒介がなければ精油は肌に浸透しないと聞きましたが、精油を使ったトニックウォーターは使用する意味がないのでしょうか?

Q4.マッサージオイルの作り方について、詳しく教えてください。

Q5.キャリアオイルの中には日焼け防止効果があると言われているものがありますが、日焼け止めとして使用しても問題ないのでしょうか?

Q6.「クリームベース」をアレンジして、オリジナルクリームを作りたいのですが。

Q7.「ビタミンE」について教えてください。

Q8.「乳化ワックス」について教えてください。

Q9.手作りクリームに挑戦したのですが、失敗してしまいました。何がいけなかったのでしょう。

Q10.キサンタンガムは扱っていないのですか?

Q11.E-Conceptionでは2種類の石けんを扱っているようですが、「カスティリア石けん」と「ソープヌードル」の違いを教えてください。

Q12.ローション、マッサージオイル、クリーム、ジェル、美容液など、たくさんの基礎化粧品がありますが、お手入れの順番はどうしたらよいのでしょう?

Q13.敏感肌なので天然素材だけを選ぶようにしています。それでもトラブルが起きることもあるのでしょうか。

Q14.ミネラルジェルと、アロエジェルのどちらを選ぶか迷っています。それぞれの成分、特徴、使い方などを教えてください。

Q16.ローズヒップオイルが美容によいという評判を聞きますが、どのように使えばよいのでしょうか?

Q17.手作りクリームや化粧水に保存剤を入れると長期間保存できるそうですが、常温保存で大丈夫でしょうか、それとも冷蔵保存が必要ですか?



Q1: アロマウォーターとは、何ですか?


A:
    精油を植物から蒸留抽出するときに、精油と同時に抽出される水のことです。精油と同じような香りをもった蒸留水なので、「芳香蒸留水」「フローラルウォーター」「フラワーウォーター」「ハーブウォーター」、また英語では「ハイドロゾル」などと呼ばれます。

    抽出される植物によって、「ローズウォーター(バラの花から抽出された蒸留水)」「ネロリウォーター(ネロリはビターオレンジの花から抽出される精油。オレンジブロッサムウォーターと呼ばれることもある)」「ラベンダーウォーター(ラベンダーの花から抽出)」などと呼ばれます。精油と似たような成分のうち水溶性のものが少量含まれているため、精油と似たような香りを放ち、マイルドながら似たような作用が期待できます。また、精油に比べれば刺激性が少ないため、粘膜など敏感な部分や、赤ちゃんにも安心してそのまま(希釈することなく)使えます。

    手作りコスメでは、ローション(化粧水)としてよく利用されます。アロマウォーターそのままでも立派なローションですし、複数のアロマウォーターをブレンドしてもいいです。保湿力を高めるためには、グリセリンを少量(1~5%程度)加えます。また皮膚を引き締めるために、アルコール(ウォッカなど)を20%くらいまで加えてもいいです。(※アルコールを加えると保存性が高まりますが、高濃度で使い続けると皮膚を乾燥させる傾向があります)

    なお、アロマウォーター(フローラルウォーター、ハーブウォーター)と呼ばれるものの中には、ミネラルウォーターなどの水に精油を滴下したものもあります。E-Conceptionのアロマウォーターは、植物を蒸留して抽出した蒸留水ですので、ロットによって香りが若干異なることがあります。

    なお、E-Conceptionでは郵送中の破損を防止するため、アロマウォーターにはプラスティック(PET)容器を使用しています。アロマウォーターは精油と違ってプラスティック容器に保存しても化学反応は起こしません。精油を加えたい場合、精油濃度1%程度(基礎化粧品に適した濃度)ならPET容器のままお使いいただけますが、それ以上の濃度で精油を加えたい場合には中身をガラス瓶に移してブレンドしたほうがよいでしょう。

    【ご注意】 手作りローションのレシピとして、ミネラルウォーターや精製水に精油を滴下したものを見かけますが、精油は水分に溶けませんので、精油成分が直接皮膚について皮膚トラブルを起こす可能性があります。
    水分に精油をブレンドする場合には、グリセリンやアルコールに一旦精油を混ぜてから水分と合わせます。それでも乳化剤なしに精油を完全に水に溶かしこむことは難しいです。敏感肌の方は、精油を滴下していないピュアな芳香蒸留水をお選びになったほうが安全かと思います。




Q2: アロマウォーター、手作りローションの使用期限について教えてください。


A:
    アロマウォーター(ピュアな芳香蒸留水)は安定した物質ですので、冷暗所で保存すれば未開封で半年くらいは大丈夫です。ローションとして使い出してからでも3ヶ月くらいは問題ないでしょう。ただし、瓶の中に雑菌が入らないように、ミストスプレーなどを利用することをお勧めします。

    ミネラルウォーターや精製水に精油を滴下して作ったローションは、品質劣化しやすいので注意が必要です。天然防腐剤(GSE)などを上手にご活用ください。

    劣化したローション・アロマウォーターは浮遊物が見られたり、腐敗臭がしたり、容器の内側にカビが生えてきたりするので、判別できると思います。おかしいな?と思ったら、使用をやめましょう。

    ※香りに違和感がなければ、お掃除、お洗濯などに使うことはできます。
  • 布に湿らせて拭き掃除する。
  • トイレやシンクに振りかけて、ブラッシングする。
  • リネンスプレーとして、アイロン前に噴きかける。

    ※アロマウォーターを70度以上で3分間以上加熱すると殺菌されますので、多少の有効成分は揮発しますが、寿命を延ばすことができます。
  • 電子レンジ利用の場合は、PET容器のまま電子レンジに入れず、必ず耐熱性の容器に移し替えてから加熱してください。清潔な小鍋に移し替えて沸騰させる方法でもOKです。
  • 空になったPET容器に消毒用エタノールを5mlほど入れて振り洗いし、その後は自然揮発させて、保存用容器も消毒しましょう。
  • 加熱したアロマウォーターのあら熱が取れたら、消毒済の空PET容器に移し、冷蔵保存してください。




Q15: E-Conceptionのアロマウォーターには保存剤が加えられていますか? 


A:
    アロマウォーターの寿命は種類によって全く異なります。比較的安定したローズウォーター、ラベンダーウォーターなどは保存剤がなくても2年くらいはもちますが、ジュニパーウォーターなど蒸留から半年もすると品質劣化が始まってしまうものもあります。

    過去に、E-Conceptionではアロマウォーターに保存剤(TGR)を加えて販売したことがありました。この保存剤はティートリー、グレープフルーツ、ローズマリーから抽出した成分を活用したもの。水分と油分両方に溶け、また優れた殺菌作用がありますので、長期間保存することができます。食品グレードの人工保存剤(ジアゾニジニル尿素、メチルパラベン、ポリパラベン)も含まれますが、市販の化粧品に含まれる人工保存剤の量と比較すれば、微量で済みます。

    それでも「保存剤をまったく加えずに、ピュアなアロマウォーターを提供したい」というこだわりから、製造・保存法などを見直した上で、2006年10月から、保存剤無添加のピュア・アロマウォーターを提供しはじめました。精油の副産物ではなく、アロマウォーターのための蒸留抽出したもの、有機栽培ものをできるだけ厳選しています。

    ただし、保存剤が添加されていないということは、いずれは必ず劣化するということです。保存温度は25℃以下、夏場は冷蔵保存をおすすめします。開封後はできるだけ早く使い切ってください。そして、品質に疑問を感じたら、使用を中止してください。




Q3: 肌は脂分で出来ているので、オイルなどの媒介がなければ精油は肌に浸透しないと聞きましたが、精油を使ったローションやトニックウォーターは使用する意味がないのでしょうか?


A:
    おっしゃるとおり皮膚は脂分で出来ていますから、水分は表皮ではじかれます。だから、キャリアオイルなど基剤を使って精油の浸透を図ろうとするわけです。キャリアオイルに混ぜた精油は、オイルという触媒によってリンパや血液を経由して細胞や神経にまで届きます。精油を皮膚に塗った後、体内に精油成分が届く時間は、30分~12時間だそうです。

    ところが、ウォッカや精製水を使った精油ブレンドもよく使われていますね。あれは、皮膚の内部に精油を届けることが目的なのではなく、表皮に刺激を与えるアストリンジェント作用や消毒作用等を狙ったものではないかと私は解釈しています。油分を基剤とするブレンドが、化粧クリーム的機能なのに対して、水分を基剤とするブレンドは化粧水と同じ機能なのでしょう。精油が表皮ではじかれることが必ずしも無意味であるということはないと思います。要するに2つの機能をうまく使い分ければよいのではないでしょうか。

    また、水などの油に溶けない基剤に混ざった精油が肌についた時、皮脂の油分と融合すれば多少は肌にも浸透するはずだと思います。ローション内の水分は表皮ではじかれても、精油成分は皮脂に溶ける可能性はあるということです。精油成分によっては皮脂と融合する前にほとんど揮発してしまうものもあるでしょうが、揮発速度が遅いベースノートの精油ならば、肌に残って皮脂と混じって成分の一部が皮膚内へ浸透することもありうるのではないでしょうか。ニキビ対策のローションなどの効果を考えると、まったく精油が皮膚に浸透しないとはちょっと考えにくいです。

    また、水分補給を目的にアロマウォーターなどをお使いになる場合には、ジェルやオイルと併用することで、水分が蒸発しにくくなり皮膚内に浸透しやすくなるようです。基本的にお手入れの順序は、ローション→ジェル→クリーム→オイルが妥当でしょう。




Q4: マッサージオイルの作り方について、詳しく教えてください。


A:
    マッサージオイルはピュアなベジタブルオイル(アロマセラピーではキャリアオイルと呼ばれるもの)を肌質に合うようにブレンドするだけで出来ます。レシピはもう無限大に組み合わせ可能なので、各自のお肌に合うようにブレンドを研究してみてください。だいたいの目安となるよう、肌質ごとに合いそうなオイルを次に挙げておきます。

    説明上、オイルを2つのカテゴリーに分類してみました。「ベースとなるオイル」は比較的安価でクセのないオイル、「オプションのオイル」はちょっと高価だけど栄養たっぷりで更に効果をあげてくれそうなオイル、という意味です。「オプションのオイル」の割合を増やすほどに、栄養たっぷりの贅沢なオイルになります。

    ちなみに、私(脂性肌寄りの普通肌)のお気に入りは、ホホバオイルとローズヒップオイル、イブニングプリムローズ(月見草)オイルを同量ずつ混ぜた贅沢オイル。シルクみたいなつけ心地で、しっとりします。

    肌質 ベースとなるオイルオプションのオイル
    脂性肌 ホホバオイル、ファインココナツブレンド、マカダミアオイル ローズヒップオイル、ボリジオイル、イブニングプリムローズオイル
    乾燥肌 ホホバオイル、スウィートアーモンドオイル、マカダミアオイル アボカドオイル、ローズヒップオイル、ボリジオイル、イブニングプリムローズオイル、エミューオイル
    成熟肌 ホホバオイル センテラオイル、アボカドオイル、ローズヒップオイル、ボリジオイル、イブニングプリムローズオイル
    脂性混合肌 ホホバオイル、ファインココナツブレンド、マカダミアオイル ローズヒップオイル、ボリジオイル、イブニングプリムローズオイル
    敏感肌 ホホバオイル、スウィートアーモンドオイル等 アボカドオイル、ローズヒップオイル、ボリジオイル、イブニングプリムローズオイル


    肌質に合った精油を加えれば、さらに効果が期待できます。なお、加える精油の量はキャリアオイル(ベジタブルオイル)の1%以下が妥当だと思います。

    マッサージオイルは酸化しやすく、特にローズヒップオイルなどEFAオイルを混ぜると酸化が早まりますので、冷暗所で保存して2週間のうちには使い切ったほうがいいでしょう。天然酸化防止剤(ローズマリーオイルから抽出されたもの=ROE)を滴下しておけば、寿命が延びます。どれくらい寿命が延びるかは、加えるオイルの種類や新鮮さにもよるので一概にはいえませんが、もともとの50%程度長く保存できるようです。オイルが酸化すると、古い天ぷら油のような不快な匂いがしてきますので、その匂いで判断できるはず。酸化したオイルはお肌をいためることになりかねませんので、使わずに捨てましょう。

    また、マッサージオイルは化粧落とし(拭き取りタイプ)のオイルとしても使用可能です。




Q5: キャリアオイル(植物油)の中には日焼け防止効果があると言われているものがありますが、日焼け止めとして使用しても問題ないのでしょうか?


A:
    確かにアボカドオイル、マカダミアオイル、スウィートアーモンドオイルなどにはサンスクリーン(日焼け防止)効果があると言われています。しかし、その日焼け止め効果は「わずかにある」という程度のもので(最大で25%とか)、たとえば野外スポーツや海水浴等をする時に耐えうるほど十分なものではありません。

    また、「オイルをつけた肌を日光にあてると、オイルが紫外線を吸収し、その吸収した紫外線のエネルギーを使って、肌の上で過酸化脂質を作り出すことにより、活性酸素が生じる」という説も聞きます。活性酸素は紫外線が肌にあたった時にも生成されるもので、肌にダメージを与えることが知られています。
    オイルを肌に塗ることによって活性酸素の生成が助長されるという、この説の信憑性については今もってよく分かりませんが、実際の使用感からいえば、そ~んな心配するほどの害ではないように思われます。

    が、もともとキャリアオイル(植物油)は大したサンスクリーン効果も期待できないわけですから、意図的にオイルを塗って直射日光にあたったり、サンスクリーン剤の代用として長期継続使用はしないほうがいいでしょう。紫外線防止効果を期待するなら、サンスクリーン・グレードの「二酸化チタン」「酸化亜鉛」がオススメです。

    なお、オイルを塗って日光にあたることで「油焼け(オイル焼け)」が起きるのでは?という説がありますが、それは誤解です。詳しくは、E-Conceptionのメルマガ【第338号】をご参照ください。

    精油をマッサージオイルに加える場合には、光感作用のある精油にご注意ください。日光にあたるとシミの原因になることがあります。主に柑橘系オイルに光感作用のある成分(クマリン)が含まれますが、特にベルガモットに含まれるベルガプテンはその作用が強いので、スキンケアにご利用になる場合にはベルガプテンを人工的に抜いた「ベルガモットFCF」をお使いになったほうが安心です。




Q6: 「クリームベース」をアレンジして、オリジナルクリームを作りたいのですが。


A:
    クリームベースには各種オイルやビタミンEなど、5%くらいまで加えることができます。少しずつ加えて、よくかき混ぜてください(アルコールで消毒したスプーンなどをお使いください)。精油を加える場合には濃度を1%以下にしたほうがいいでしょう。香りがキツすぎると感じる場合には、もっと濃度を下げても構いません。毎日のスキンケアには精油濃度が低いほうがかえって効果が持続してよいようです。

    クリームが硬すぎると感じる場合には、水分(アロマウォーターなど)を加えて柔らかくすることもできます。湯煎で温めながら少量ずつ混ぜれば、ダマやムラが出来ません。

    また、クリームベースに5~10%ほどカスティリア石けん(液体)を加えると、クレンジングクリーム(洗い流すタイプ)として利用できます。





Q7: 「ビタミンE」について教えてください。


A:
    ビタミンEは動植物から抽出され、化学名称で「d-α-tocopherol」と表現されます。が、この物質は酸化しやすいため、化粧品用にはエステル化した「dl-α-tocopheryl acetate」が一般的に利用されます(これを「ビタミンEオイル」と呼ぶメーカーもあるようですが、一方でベジタブルオイルなどで希釈した「ビタミンEオイル」も出回っているようです)。

    ビタミンEは保湿力に優れ、フリーラジカルから不飽和脂質を守ることで知られています。皮膚によく浸透し、皮膚の深い部分に残って働きます。

    オイルやクリームに加えることができますが、熱には弱いので、手作りクリームには最終過程(あら熱がとれてから)加えてください。また、加える量ですが、2.5%だと明らかな保湿効果が見られなかったというレポートもあります。5%程度加えると明らかに保湿効果が実感できるようです。

    酸化しやすいので、冷蔵庫での保存が理想的。開封してから半年以内に使い切ってください。なお、酸化防止剤としても利用されることがありますが、ビタミンEのオイルに対する酸化防止力はローズマリーから抽出される天然酸化防止剤等に比べると大したものではなく、またビタミンEそのものが酸化しやすいことから、オイルの酸化防止剤としてはあまり効力を期待できないようです。




Q8: 「乳化ワックス」について教えてください。


A:
    手作りクリームを作るときに活躍する乳化ワックス(エマルジファイング・ワックス)には、植物由来のセチル酸アルコールがよく使われています。E-Conceptionの乳化ワックスは、セチル酸アルコール90%に、Cateareth 20という化合物(ポリエチレングリコール基と連鎖したセチルアルコール)を10%加えてあります。セチル酸アルコールだけでも乳化はするのですが、Cateareth 20を加えることによって初心者でも失敗のなく作れるように配慮しています。

    E-Conceptionが利用している乳化剤は、ココナツオイル、パームオイル、アーモンドオイルなどの植物油を原料に抽出・製造された特殊なものです。

    使い方、レシピについては、「実験記録(55)自作フェイス実験」をご参照ください。




Q9: 手作りクリームに挑戦したのですが、失敗してしまいました。何がいけなかったのでしょう。


A:
    手作りクリームを作るときには、きちんと計量することが肝心です。他の手作り化粧品は結構いい加減に作っても形になるのですが、これだけは細かく計量する必要があります。また、少量ずつ作ろうとすると失敗する傾向があります。「実験記録(55)」に掲載している量が、家庭で失敗なく作れる限界ではないかと思います。

    「一度にたくさんのクリームが出来てしまっては使い切れなくて困る」という方は、出来上がったクリームのうち、すぐには使わない分を小分けして別途容器にとり、冷凍庫に保管しておくとよいでしょう。こうすると保存剤や酸化防止剤なしでも使い切れる量ずつ活用できます。

    よくある失敗は「乳液状になってしまった」というケース。この場合は乳液として使えばいいのですが(^^;)、失敗の原因は攪拌が十分ではなかったため。水分と油分を混ぜるときには、かなり強く勢いよく攪拌する必要があります。(電動ミニ・ブレンダーがおすすめ)
    逆に、仕上がりが硬すぎるようなら、また湯煎にかけて水分を足します。

    手作りクリームに初めて挑戦しようという人のために、シンプル・クリームのレシピを開発しました。これでクリーム作りの基本を身につけてから、あなたのお肌に合うレシピを開発してください。





Q10: キサンタンガムは扱っていないのですか?


A:
    キサンタンガムを使うとクリームやジェルなどの粘性調整になるので便利なのですが、E-Conceptionでは扱ってきませんでした。
    大量に作るならうまくいくのですが、少量で作ろうとすると、まず微量のキサンタンガムを計量するのに一苦労。さらに電動ミキサーを使わない限り、なめらかなジェル状にすることが難しいのです。

    なお、キサンタンガムの代用品として、「ミネラルジェル」をお使いいただけます。既に水分と混ざってなめらかなジェル状になっているので、ダマにならず、湯煎にかけながら水分を増やして粘性を調整することができます。




Q11: E-Conceptionでは2種類の石けんを扱っているようですが、「カスティリア石けん」と「ソープベース」の違いを教えてください。


A:
    「カスティリア石けん」とは、昔からスペインのカスティリア地方で生産されてきたオリーブオイルを原料にした贅沢なマイルド石けんで、今では100%オリーブオイルの石けんは手に入らなくなってしまったそうです。

    E-Conceptionのカスティリア石けんは、オリーブオイルが40%、これに洗浄力に優れたココナツオイルを加えた液状の石けんです。非常にマイルドですが、泡立ちも洗浄力もあります。これ1本で髪から顔から身体まで全部済ませることが出来るのが魅力。また、これをアレンジしてオリジナルシャンプーやボディソープを作ることもできます。お使いになるときに同量の水を加えると、ちょうどいい感じです。

    「ソープベース」(旧名:ソープヌードル)はオリジナルの固形石けんを作る際に便利な一品です。パーム油を素材に、苛性ソーダを必要最低限だけ加えたピュアな石けんです。この商品の利点は、①苛性ソーダなど危険な物質を扱わずに、お好きな材料を加えたオリジナル石けんが安全に作れること ②水分を抜いてあるので、輸送費を軽減できること でしょう。

    個人的には、カスティリア石けんはお風呂でよく使い、ソープヌードルで作った石けんは洗面所(洗顔、手洗い)や洗濯に利用しています。

    温めて溶かして型入れするだけの、MPソープもご用意しています。



Q12: ローション、マッサージオイル、クリーム、ジェル、美容液など、たくさんの基礎化粧品がありますが、お手入れの順番はどうしたらよいのでしょう?


A:
    お肌のお手入れの基本は、水分を与え、その水分が逃げないように保湿すること、そして脂分や栄養が不足している時には補ってあげること、だと思います。その時のお肌の状態によって、洗顔後(あるいはクレイパック後)にローション→クリーム、あるいはローション(→ジェル)→マッサージオイル、あるいはローション→ジェル→クリームの順番でお手入れしましょう。

    オイルマッサージは効果が見えやすいのですが、マッサージ後のオイルが気になって拭き取りたくなる方もいるでしょう。実際、オイルマッサージ直後の肌にお化粧するのはちょっと抵抗があります。オイルは出来るだけ拭き取らないほうがよいので、マッサージするなら夜寝る前に。そのまま放っておくと、朝ふっくらしっとりしたお肌に出会って、きっと驚かれると思います。

    ジェルはさっぱり感が気持ちいいので、どうしても夏場に活躍の機会が多くなります。が、ジェルは皮膚をラップしてジェルに混ぜたオイルの吸収を高めるので、冬場に活用しても効果が見られるでしょう。個人的にはオイルマッサージをするだけの気力と余裕がない夜に、ジェルで代用することが多いのですが、ジェルのあとにオイルマッサージをするとオイルの浸透がよくなるみたいで、これもなかなかオススメです。

    クリームは朝晩いつでも使えますが、下地クリームとしても重宝なので、私はよく朝のローション後、お化粧前に利用します。
    美容液はお肌が疲れているな、というとき、寝る前にオイルマッサージ代わりに使うことが多いです。

    脂性肌の方(特に夏場)はローションだけでも十分かもしれませんが、肌が脂性に傾きすぎている時は、ジェルやオイルに精油などを混ぜたもので調整したほうがよいでしょう。また、クレイでのフェイスパックは脂性肌の方には特によいようです。

    といっても上記はあくまで目安です。あまり決まりにとらわれずに、ご自分の「今のお肌」とよく相談しながら、心地よいようにお使いになっていいのではないかと思います。




Q13: 敏感肌なので天然素材だけを選ぶようにしています。それでもトラブルが起きることもあるのでしょうか。


A:
    「天然素材のナチュラル化粧品なら絶対安心」というのは神話だと思ってください。ナチュラルなものでも人によって合わないことも十分ありえますし、逆に人工化合物でも安全なものも沢山あります。我々はどうも「人工」とか「化合物」といった言葉を聞くとそれだけで危険!と過剰反応する傾向がありますが、「じゃあ、自然と人工の違いって何なの?」と考えてみると、その定義が非常に曖昧なことに気付きます。

    大抵の人工化合物の原料は自然から採れたものです。石油化合物もその起源を辿れば、地球から掘り起こされた天然鉱物。もともと植物が堆積したものです。また、すべての天然素材は化学化合物で構成されているわけですし、天然素材から抽出される際に何らかの「人工的な」手が加えられています。ベジタブルオイルにしても、精油にしても、自然界から得られたものを人間の手で加工していることに違いはありません。

    私たちがこだわりたいのは、「天然素材(あるいは植物性)かどうか」ではなく、「安全かどうか」なのですね。

    でも、「誰にでも絶対に安全なもの」は存在しないのです。たとえば、市販の化粧品におけるアレルギー反応は人工保存剤が原因であることが多いと聞きますが、天然防腐剤(GSE)にアレルギー反応を示す人も稀にいます。
    E-Conceptionでは出来るだけ「安全度が高いと思われるもの」を厳選して提供しているつもりです。それでも、人によっては合わないこともあるでしょう。敏感肌の方は、素材ひとつひとつについてパッチテストで確認してからお使いください。

    手作り化粧品のメリットは、「ナチュラルだから安全」なのではなく、「どんな素材を入れたか自分で分かっているから安心」ということなんですね。万一トラブルが起きても、その原因を自分で突き止めることができるわけですから。ご自分のお肌に合う素材だけを使って、オリジナル・レシピを開発していけるのも、手作り化粧品の醍醐味です。





Q14: ミネラルジェルと、アロエジェルのどちらを選ぶか迷っています。それぞれの成分、特徴、使い方などを教えてください。


A:
    ミネラルジェルの原料は「ケイ酸」です。クレイにも含まれる鉱物の一種です。クレイに似た作用(吸収、調整など)も多少はありますが、ほとんどが水分なので、クレイほどには期待できません。

    ミネラルジェルはそれ自体がお肌によいというよりも、キャリア(媒体)として、キャリアオイルの代わりにお使いいただくものです。クーリング作用もありますし、さっぱりした使用感なので、夏場はオイルマッサージのかわりに便利ですね。またお肌をラップする作用があるので、ミネラルジェルに混ぜたオイルが効率よく皮膚内に浸透していきます。精油の媒体として利用すると、キャリアオイルよりもずっと効率がいいんだそう。また、リキッド・ジェルファンデなど手作りコスメの材料としても応用がききやすく、大変扱いやすい基材です。

    アロエジェルの主成分はアロエヴェラのジュースです。アロエには炎症を抑える作用がありますので、日焼けしたお肌を冷やして調整するのにもってこいです。ミネラルジェルよりもハードなジェルなので、オイルやリポゾームなどのオプションを多めに入れやすくもあります。この特徴を利用したレシピ「若返り?!ジェル」は特に好評です。

    ただし、アロエは劣化しやすいため、アロエジェルには人工保存剤が含まれますし、アロエそのものが多少のカユミを感じさせることもあるようです。敏感肌の方は使用前にパッチテストで必ずご確認ください。




Q16: ローズヒップオイルが美容によいという評判を聞きますが、どのように使えばよいのでしょうか?


A:
    「スパスパ人間学(TBS)」で美容オイルとして取り上げられたそうですね。残念ながらオーストラリアではその番組を見ることは出来ませんでしたが、サイトで放映内容を拝見しました。紹介されたとおり、美容に優れたオイルです。使用前後の写真がありましたが、あの程度の変化でしたら、私も日常的に実感しています(それが当たり前になっていたので、そんなにスゴイことだと思っていませんでした!)

    ところで、ガンマ・リノレン酸が秘訣の成分とありましたが、実際のところ、ローズヒップオイルに含まれるリノレン酸は、ガンマではなく、アルファ・リノレン酸なんです。どちらもお肌にいいことは間違いありませんが、アルファ・リノレン酸がたっぷり入ったローズヒップオイルと、ガンマ・リノレン酸が入ったボリジオイルを組み合わせて使うと、相乗作用が臨めるようです。

    ローズヒップオイル単体でマッサージしてもいいですが、EFA(必須脂肪酸)オイルはホホバオイルと非常に相性がよく、特に老化が気になる成熟肌には次のベースオイルを組み合わせるのがおすすめです。

    【ベースオイル】 合計50ミリ
    エッセンシャルオイル(精油)】 約1%濃度
    • フランキンセンス 4滴
    • ゼラニウム(ブルボン) 3滴
    • イランイラン(コンプリート) 2滴
    • シスタス 1滴

    • 50ミリで1ヶ月分くらい。酸化しやすいので天然酸化防止剤(ROE)を1滴加えて、冷蔵庫に保存してください。寝る前にたっぷりのオイルでマッサージ。先にアロマウォーターの化粧水をたっぷり吹きかけると、さらに◎です。
    • 手作り化粧品については、「基礎化粧品を手作りしよう!」のコーナーをご参照ください。


    それぞれの肌質に合わせたエッセンシャルオイル(精油)をお選びください。
    ふだん自然のものを使ってスキンケアをされていない方ほど、違いを実感しやすいと思います。が、お肌が慣れてくるまでに時間がかかると思われますので、最低でも1ヶ月は継続されることをお勧めします。また、はじめて自然の手作り化粧品に切り替える場合には、一時的に症状が悪化したような現象が出るかもしれません。そのときは、一旦使用を中止し、症状が落ち着いてから少量ずつ試していきます。

    なお、当たり前のことですが、ローズヒップオイルがいかに優れたオイルであっても、これ1本で全人類すべての美容問題が解決するワケではありません(^^;)。お肌の健康は、日頃のお手入れ方法、日常生活、心・スピリットの健康状態とも直結しています。顔に出来たシミやニキビ、その1点だけを見ているだけではローズヒップオイル塗っても解決しません。化粧品について、お肌について、そして人間について、広く深く、勉強していきたいものです。




Q17: 手作りクリームや化粧水に保存剤を入れると長期間保存できるそうですが、常温保存で大丈夫でしょうか、それとも冷蔵保存が必要ですか?


A:
    GSEには殺菌力はありませんので、場合によっては常温に置いておくと早々に劣化することもあります。一般的には、冷蔵保存したほうが劣化する速度は遅くなりますが、それでも冷蔵庫の過信は禁物です。

    私の経験では、夏場常温保存していても、クリームベースやジェルなどのコスメ素材が劣化した状態は見たことありません。が、自分でなにかを混ぜるなどアレンジしたものだと、冷蔵保存していてもカビが生えてくることがあります。

    よく「これは何ヶ月もちますか?」といった質問をいただくのですが、それは作り方、容器の殺菌、レシピ、使用頻度、使用方法、保存の条件によって異なりますから、一概に「○ヶ月は大丈夫!」という言い方はできないのです。

    クリームやジェルなど水分系のコスメ素材は、黒カビなどの異物が見えてきます。
    オイル系のものは酸化臭がしてきます。
    直感的に「あれ?おかしいな」と思ったときは、惜しまず捨てる決断を。

    天然素材は、生の食品と同じように、いずれ劣化するのが当たり前なのです。
    五感をフル活用して劣化を見極めることで、人間本来に備わった野生の感性を磨きたいものです。

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