E-Conception 育児エッセイ(9)
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ダブル・トラブル?! 
-育児日記シリーズ-


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1歳になりました(左がカレンで右がリサ)



前回は旅先からお届けした「育児日記シリーズ」ですが、続編を書こうかなあと思っているうちに、カレンとリサはもう1歳になっちゃいました。生まれたての頃のことを思い出すと、「よくここまで成長したもんだ」という気にもなりますが、「まだ長い人生のうち、たったの1年しか経っていないのね」という気もしますね。




日本ではモテモテでした


まずは、旅日記の続きです。デンマーク、イギリスを経由して、最後は日本に1週間弱滞在しました。一番の冒険は、成田空港から神奈川県の秦野まで、電車を乗り継いでたどり着いたこと、でしょう。ダブルのベビーカーなど狭い東京で使えるわけもないので、子供一人ずつだっこ紐にぶら下げて、両手に荷物抱えての移動です。特に東京駅での成田エクスプレスから新幹線への乗り継ぎは、歩いた歩いた。子供たちは「人の波」を興味深げに眺めていて、別に文句も言わなかったけど、肩に10キロの重荷を背負った我々は疲れました。

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おじいちゃんの手作りハイチェア
実家滞在中は、親戚とか友達とか、両親の友達とか、沢山の人たちが訪問してくれて、おおモテでした。別に広告を出したわけでもないのですが(^^;)、予想を超えて、連日すごい人。ほとんど「上野動物園のパンダ(←古いか)」状態でした。子供たちは皆に遊んでもらって上機嫌でよいのですが、その分、夜も興奮して寝ないので、寝かしつけようとする我々は大変でした。

それと、ちょっと時差ぼけもあったみたいですね。夜中もお昼寝並に2時間くらい寝ると、また起きてきて「あそぼ、あそぼ」と言うんです(って日本語喋るわけじゃないですよ)。私も経験上、地球を東から西へ移動する時よりも、西から東へ移動する時のほうが時差ぼけしやすいように感じていましたけど、やっぱりそうみたいですね。
でもまあ、じーちゃんばーちゃんが張り切って、準備万端、いつでも遊んでくれるので、助かりましたけど。

実家滞在中もそうなんですが、空港への移動中、空港での待ち時間も、日本の皆さんには可愛がっていただきました。ホント、人だかりが出来ちゃうんですよ。「あ、双子ちゃんだ!」「めちゃめちゃカワイイ!」とか皆さん口々に言いながら、あやしてくれる。子供たちも相手してもらって大喜び。また愛想がいいので、余計ウケてしまう。おかげさまで、私ら親は、空港じゅうを這いまわる彼女らを放って、座ってくつろいでいました。





日本では近所の赤ちゃん用品ショップに立ち寄りましたけど、さすが日本。いろんなものがありますね~。「一体何に使うの?」「買う人、いるの?」と心配になるようなものもある。博物館みたいで面白かったけど、あんまり買いたいものはなかったなあ。おじいちゃんが「キティちゃんの携帯電話」を買ってくれたけど(リサはボタン類を押すのが大好き)、手荒い扱いを受けてすぐ壊れたし(^^;)。

それにしても、日本のベビーフードはどうしてあんなに小さいサイズなんでしょう? 12ヶ月用でもせいぜい50グラム入程度じゃないでしょうか? オーストラリアやイギリス、デンマークでは、250グラム入サイズの瓶を、1人1食ペロっと食べてましたから、あんなんじゃ、全然足りない。複数の種類で栄養バランス取りましょうってことなんでしょうけど、それにしてもイッキに数種類開けなきゃならないのが面倒だし、ちょっと割高感を感じました。特大のお徳用サイズ出したら、売れるんじゃないかなあ。






風邪もシェアしています


ありがたいことに旅行中は全然体調も崩さず、事故もなく、無事に終わってホッとしました。が、帰国するやいなや、夫が会社で風邪をうつされてきて、それをカレンに移して、リサに移して、最後は私、という具合に、家族で一周しました。

面白いことに、カレンとリサは同じ症状を見せないんです。最初のうちは、カレンが風邪の初期~中期の症状(鼻水、発熱)を見せたのですが、その間リサは元気。そして、3日くらいでカレンの風邪が治ったかと思いきや、今度はリサが咳をしているわけです。まるで一連の風邪症状の前半がカレン担当、後半がリサ担当って感じで、シェアしちゃったみたい。

アロマセラピーの効果もあってか(子供にはアロマってホントよく効きますね)、すぐに治ったのですが、その間夫はずーっとグズっていました。最後に私に移ったみたいだけど、私はほんとの初期にアロマで対処する方法に慣れているので、悪化する前に治しちゃいました。

よく子供が熱だしたり、病気したりすると、おかあさんは心配で夜も寝られないとか、グズって大変とか聞きますけど、ウチは風邪ひいても熱だしても、あまり普段と変わらないんですよね。機嫌も悪くないし、いつもより却ってよく寝るし、ちょっと食欲落ちたかな?って程度。だから普段と同じように、お風呂にも入れちゃうし、外出もしちゃう。従って、母も心配しないで、よく眠っているんですが(^^;)。

子供は病気するのが仕事みたいなもんで、病気するたびに免疫つけて強くなっていくんですよね。だから、病気ウェルカム!ってことで、あまり心配しないことにしています。いくら親が心配しても病気と闘うのは当の本人なわけですし。もう体力もしっかりついているから、よほどの大事でない限り、放っておいたら大丈夫なんだろうって思っています。少なくとも子供の様子、機嫌を見てたら、こりゃ大丈夫だわって分かりますもんね。




やんちゃしています


旅行から帰ってくると、もうリサもカレンも目を離せばドロロンと消えている状態になっていたので、さっそくダディが中古のベビーベッドを改造してフェンスを作ってくれました。暖炉まわりや、パソコン廻りなど、危ないところ、大人の事情で入ってもらったら困るところ、を囲っています。自由に動き回れる範囲を限定しちゃうのは可愛そうかなという気もしましたが、本人たちはそう不満でもなさそうで、フェンスをつかまり立ちに利用しています。とにかくウチはいつも大人がアテンドしていられないから、目を離しても安全な環境で「放牧」したいわけです。
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掘り出しものはないかな?


そんなわけで、いちおう安全と思われる場所を確保したつもりなのですが、こちらが予期しないようなことをやってくれるのですね、やつらは。やんちゃ盛りですから、しょうがないんだけど。ピアノの底に溜まっているホコリを指ですくってなめるとか、フェンスの向こう側に置いてあるものを手を伸ばして取って食べるとか、「あんた、こんなもん、どっから持ってきたの?」というようなものを食ってる。まあ、喉に詰まらせでもしなければ、何食っても下から出てくるから、いいんですけどね。

それにしても最近、おむつ替えが大変になりました。おしっこの時はまだいいのですが、うんちの時のおむつ替えは至難のワザです。なぜか?というと、片方のお尻を拭いている間に、もう片方がうんちを狙って突進してくるのです。ちょっと油断すると、うんちの中にぶすっと指を突っ込まれるので、はずしたおむつは、彼女の位置から一番遠いところに置きます。すると、あっという間におむつの位置まで這ってくる。また反対側におむつを動かすと、またあっという間に這ってくる。いやあ、このハイハイの早いこと。こうして、おむつの隠しっこをしている間にも、おむつ替えをしている方がうんちお尻につけたまま寝返って這い出そうとするので、必死に抑えなければならず。とにかく大変。

一度、うっかり替えたおむつをゴミ箱に持っていくのを忘れたら、ちょっと目離したスキに、二人しておむつを解体して、うんちを食ってました。文字どおり「食って」たんです。まあ、うんちを食べる習慣のある原住民もいるし、おしっこだって飲むと健康にいいんだから、そんなにオオゴトじゃないんですけど・・・。まいりました(^^;)。





もう「ダブル・トラブル」じゃないよ!


ところで、この頃、双子のメリットを享受しているなあと実感しています。今までは「双子=ダブルトラブル」を前提にして、「双子のわりには手がかからない」みたいな言い方をしてきましたが、「双子でよかった」「双子のほうが実は楽なのね」と感じることが多くなってきました。

まず、いつも二人で遊んでいてくれるから、なんにせよ親が楽なんですよ。機嫌さえよければ、完全に「放牧」できます。親がいなくても、二人で探検したり、新しい遊びを開発したりしてます。もちろん、悪さをするのも二人一緒。やけに静かだな~という時は要注意。ヤバイことをやってる証拠です。もう彼女らもヤバイってのは分かっていて、「何やってるの?!」と声をかけると、ビクっとして、こっちを見るや、一目散に逃げていきます(^^;)。

常にお互いを刺激しあっているから、もしかして成長を促進する上でも役立っているんじゃないの?という気もします。一人じゃ出来ないような遊び(お手玉を投げ合うとか、いないいないばあごっことか)って、いっぱいあるし、特にコミュニケーションの方法を身をもって学んでいるような感じがします。

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ちょっとぉ、わたしの、取らないでよ!


たとえば、赤ちゃんって特に目に興味があるみたいで、人の目玉を指で突き刺したがるわけです。で、突き刺されたら痛いから泣く。泣いて怒って、仕返しする。ローマ法そのまんまの「目には目を」です。すると、仕返しされたほうも痛いのが分かる。これ、繰り返しているうちに、お互いの目玉付きはもうやらなくなってきました。でも、私らにはやるんだよね。私らも仕返しすべきなんだろうか?

痛いことも身をもって学ぶ。こういう経験学習って、親が意図的に教えるのとはまた違うんでしょうね。

それにしても、子供たちのケンカって相当激しいですよ。おもちゃの取り合いなんか、ほとんど取っ組み合い。殴るわ、引っかくわ、胸ぐら引っつかむわ、髪の毛引っ張るわ。あかんぼのクセして、すごい意志と力があるもんです。

私ら親は、子供のケンカには割り入らないで、「取られたんなら、自分で取り返してこーい」と放っておくので、しょちゅう顔にみみず腫れ作ったりしてますけど。That's life.ですからね。まあ、ウチのは力も意志も同等なので、常にどちらが強い/弱いってことはないから、放っておけるのかもしれませんが。

あと、アカンボって身体がまだ不安定だから、コケてひっくり返って泣くわけですが、これもねえ、ひっくり返るたびに駆け寄って抱っこして「まあ、かわいそうに、大丈夫?」とか「いたいいたい、ちちんぷいぷい」とかってあやす気がしないんですよねえ、私。だいたいコケたのは自分のせいなんだから、同情買うように泣かれてもねえ・・・。同じ失敗を繰り返さないように、少しは痛い目に遭って学習してくれい、と思う。

だもんで、ほとんどのケースでは私は放っておきます。眠い時やお腹がすいてる時は、タダでもうるさいので、仕方がないから抱っこはするけど、「大丈夫よ、自分でぶつけたんだから、泣いたってしょうがないじゃん」とか言ってしまいます。私ってもしかして情がない母親なの?って気もするんですけど、夫もそんな感じで、子供を子供扱いしていないというか(^^;)。こんな調子で、みんなでサバサバやってます。





最近流行ってる遊び
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ダディの手作り「おうち」


相変わらず、買ったおもちゃは人気がないです。出来るだけ気に入りそうなのを吟味しているつもりなんですけどねえ。買ったものでヒットしたのは、伝統的なふつーの積み木くらいでしょうか。それも「歯がため」がわりにカジカジしてるって感じ。ようやく最近になって、「積む」というコンセプトを理解しだしたみたいですけど。

それよりもミルク缶についてるスプーンだとか、エッセンシャルオイルの空き瓶だとか、しょーもないガラクタのほうが人気です。でも面白いことに、空瓶よりもちゃんと精油が入っているボトルのほうが人気なのですね。ホンモノが入ってるってのが分かるんでしょうか。それとも、大人が大事にしているものだから、欲しがるのか。不思議なもんです。

お誕生日のプレゼントに、ダディが「おうち」を作ってくれました。総コスト22ドル。この窓がヒットで、両側でよく遊んでいます。もしかして、この窓だけあればよかったのかも、という気もしますが、ダディが落胆するといけないから内緒にしておきましょう(^^;)。

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ピアノの連弾
ピアノは私が好きで弾きたいんですが、最近はなかなか弾かせてくれません。というのも、私が弾きだすと「わたしも、わたしも!」と言い出すのですね。しょうがないから、ハイチェアに座らせてやると、いっちょまえに鍵盤叩く。特に、カレンは音楽が好きなのかなあ。リサは足でも弾くし、音が出ることよりも蓋を開閉するほうが楽しいみたいなんだけど、カレンは熱心に音を出してニコニコ満足げです。

しかし、いつになったら、まともにピアノの練習させてくれるようになるんでしょう。あんたたちはいいから、私が弾きたいのよ。黙って聴いててくれないもんかなあ。マミィのピアノは下手クソだから、聴いてらんないってことなんでしょうか・・・。

子供向けテレビ番組もいろいろありますが、人気具合もいろいろです。ウチの子たちが静止衛生状態になって食い入るように見るのは、イギリスBBC放送の「Teletubbies」というヘンな番組。アンテナとモニターの付いたヘンな着ぐるみが4匹出てくるんですが、なぜかこれが登場すると、シーンとするのですね。親は何がいいのか全然分からないのですが。

デンマークで仕入れてきた「BAMSES」も人気です。子供番組なのに音楽がほとんどなくて、淡々とストーリーが進んでいくだけの変わった番組で、もちろん言葉はデンマーク語なので私にはよく分かりません。子供たちだってデンマーク語を理解しているわけはないのに、黙って観るわけです。人気子供番組ってのは、理屈じゃなくて、子供を魅了する何か特別な電波でも発信しているんでしょうか??






ゆっくり成長してね


ウチの子たちの成長度合いは、ふつうか、ちょっと遅め、くらいみたいです。サイズ的にも小さめだし(身長はそこそこだが、体重が少なめ)、まだハイハイと伝い歩きで生活しているし、お昼寝も1日2回だし、言葉らしい言葉も発しません。

まあ、言葉の点では、双子の場合は二人の間でコミュニケーションが成り立つので、言葉を駆使する必要性がないために、発達が遅いというのはよく聞くし、おまけにウチは英語と日本語とデンマーク語のチャンポンだから、遅くて当然だろうと思っているんですが。

以前から成長速度の早い/遅いなんて、長い人生においてほとんど意味ないじゃん、とは思っていたのですが、やっぱり早く自分で歩いてくれて、早く自分でゴハン食べてくれて、早く自分でトイレ行ってくれるようになったら、いいだろうなあという気はしますね。なんたって、親が楽になるもんね(^^;)。

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ダディのジャングルジム
でも、無理に「切り替え」を強制したくはないなと思う。
たとえば、ハイハイや伝い歩きを十分やって体力をつけてから、ゆっくりと歩き出したほうが、足腰が安定しているからコケることが少ないでしょう。歩くことを早くから強制すると、大きくなってから身体を使いこなす能力に支障が出る、というレポートもあるそうです。

ゴハンにしても、本人が自分で食べたがるならトライさせればいいけど、スプーンの使い方トレーニングまでする気はないです。手で食べたっていいし、スプーンも好きなように持ったらいいじゃんと思う(あとあと掃除が大変だけど)。
そういや、こないだ日本に行って気付いたのですが、私、「もぐもぐ期」とか、離乳期における過程のこと、全然知らなかったんですよね(^^;)。子供の様子みて「もっと噛みごたえのあるほうが好きみたいだな」とか思って、具の大きさを調整してきました。最近では、みかんなど皮だけ剥いて、丸ごとあげちゃう。最初は、そのまんま口に入れようとするけど、それじゃうまく食べられないことに気付いて、1房ごと割って食べるようになるんですね。

トイレにしても、外に直接出したほうが気持ちがイイことにやがて気付き、私たちの真似をしたくなる時が来るはずですから、焦る必要はないと思う。ちなみに、私たち夫婦は「トイレット・トレーニング」なるものは無視するつもりでいます。おまるを与えて、トイレでおしっこするところを見せてやれば十分だよ、と。人間なんだから、きっといつかトイレで出したくなるはず。それが育児書に書いてある時期とズレるとしても、大した問題だとは思えないのです。親が大変な思いして、ストレス抱えるくらいなら、トレーニングなんかしなくたっていいと思う。

成長過程において、切り替える「時」ってのが、その子、その子にあるんでしょう。そのタイミングをうまく拾ってあげて、やりたいようにやらせたら、いいんじゃないかな。「何歳ならこれが出来る」という育児書や専門家の指標は無視させていただいて、目の前にいるかけがえのない「この子」に合わせて付き合っていったらいいんだろうな、と思います。

というわけで、焦らず、ゆっくり、やりましょう。


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2001年7月26日:福島


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