お久しぶりの双子の育児日記、ダブル・トラブル。
今年2月から、カレンとリサは小学校に通っています。まだ5歳なんですけどね。
今日は、小学校の様子、そして3月に滞在していったラースのお父さん、ダディダディと過ごした日々のことなどをお話しましょう。
プリスクールの卒業式
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4歳からはじまったプリスクールはクリスマス前に修了。卒業式らしきものが教室で行われました。1年間、あっという間でしたね。
先生がパワーポイントで作った「成長の記録」みたいなスライドショーを見せてもらい、親のほうがオイオイ泣いてました。私も鼻がヒクヒクしてきて、最初は空調のせいでアレルギー鼻炎が出たのか?と思っていたのですが、いつのまにか「もらい泣き」しておりました(^^;)。
ほんと、この1年の成長ぶりは大きかったなあ。
別に足し算ができるようになったわけでも、本が読めるようになったわけでもないのですが、ずいぶん違います。
なにがどう成長した?と聞かれると説明に困るのですが、端的にいって、「親がうーんとラクになりました」(^^;)。
子ども扱いしなくてもいいっていうか、ふつうに友達と話すように、なんでも対等に話せるようになったというか。親側も多少は成長しているかと思うのですが、やはり子どもの成長は見事ですよね。
サンタにプレゼントをもらいます
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プリスクールといっても、まだまだ4~5歳児。日本でいえば幼稚園児です。もちろんサンタさんもバリバリ信じております。
プリスクールの卒業式にもサンタさんが登場し、一人一人にプレゼントを配ってくれました。
真夏の暑い最中、このコスチュームでやってくるサンタさんもご苦労なことです(^^;)。オーストラリアのサンタさんは、雪がないからソリは使えない。なので、トラックの荷台に乗って登場したりして笑えます(^^;)。
早くも子どもたちは、「サンタさん、あちこちにいるんだね。ショッピングセンターにもいたよ」「ウチには煙突がないのに、どうやってサンタさん、家に入ってくるの?」と、40年前、私が抱いたのと同じ問題を提起しはじめました。
そういう素朴な疑問は置いといて、小学校6年生まで本気でサンタさんを信じて、毎年クリスマスになると友達と口論していた私(^^;)。この子たちは、いつまで信じるのでしょうかねぇ。
年末年始の長期休暇(クリスマス&年末休暇、そして夏休みにも当たる)が終わると、いよいよ小学校入学です。1年生のことを「グレード・ワン」と呼びます。プリスクールと同じ敷地にあるのですが、今までとはだいぶ勝手が違うようです。
まず、朝8時半から2時半まで、毎日カッチリ授業がある。制服もある。宿題もある。自分の机と椅子がある。
放課後の様子
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どうやら、プリスクールのように、みんなでわいわい遊んでいる時間はあまりないみたいです。きちんと席について、先生のお話を聞く。となりの子とおしゃべりしてはいけない。
5歳の子どもにとっては、かなり窮屈なんじゃ~なかろーかと、ちょっと気になります。
まだウチの子たちは「書くこと」「描く」が大好きなので、紙とペンさえ与えればいつまででもお絵(字)描きしていますが、やんちゃ盛りの男の子なんか、席につかせておくだけでも大変なのでは。先生もご苦労なことだろうなあ。
やっぱり5歳から小学校って早すぎるんじゃない?
すーごくそういう気がしていたのですが、QLD州政府もやっぱりそう思ったみたいで、来年からプリスクール開始を1年遅らせる方針が決まったそうです。
でも、ウチの子たちの学年は既にスタートしてしまったので、「そうだよ、早すぎるんだよ」と政府も認める中、従来のカリキュラムでお勉強を始めている模様です。
小学校入学にあたり、学校指定の教材一式を購入したのですが、これが驚くことに、教科書らしい教科書はほとんどなくて、おびただしいほどのノートと糊(大きいの4本も!)が入ってました。一体、何に使うんだろう???
それにですね、一日6時間もの長時間、一体ぜんたい学校で何やってるのかなあ?と疑問なんですよね。ラースも私も、この国の教育を受けていませんから、何やってるのか全然わからないのです。教育っつったって、5歳の子ども相手に一体何を教えるの?という。
子どもたちに「今日は学校で何やったの?」と聞けば、「塗り絵!」とか「お絵描き!」とか言うときはマシなほうで、大抵は「別に」とか「なんにも」とか、そっけない返事しか返ってこない。
それより、今二人して夢中のボーイフレンドのJ君の話ばーっかりしているのです(^^;)。
「J君、あたしと結婚するって言ったよ」「えー! J君はあたしのことが好きなんだよ」
・・・ああ、先が思いやられる・・・。
そこで、ラースを偵察に送り込んだのですが、E-Conceptionのメルマガ【第55号】のような顛末で、なんだかよく分かりませんでした(^^;)。
一番途方に暮れたのが宿題。
毎日「ホームワークだよ」といって、ノートと小さな本を1冊ずつ、持ち帰ってくるんです。
これが宿題?!
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そのノートには、コピーが糊で貼り付けられているのですが(だから糊がたくさん必要なのね)、そのコピーで何をすればいいのか、全然分からないわけですよ。
まあ、左画像を見てやってください。こんなコピーとともに、「保護者のみなさまへ。宿題は毎日、子どもと一緒にやってください」なんて手紙が入っているのですが、これ、宿題!って言われても、どうしたらいいのでしょう?
アルファベットの学習なのでしょうが、子どもたちは「ホームワーク!」と言ってうれしそうに塗り絵している(^^;)。
単語を読ませればいいのかな?と思って試してみますが、当然のように子どもたちは読める(だって絵が描いてあるんだもん)。
ときどき、私もラースも知らない単語が登場したりして、「げっ、私、小学1年生の英単語も知らないのね」と自信喪失させられる(^^;)。うう、一体どうすれば・・・。
ダディと読書
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持ち帰ってくる本は、週に一度学校の図書館から借りてくるようです。とりあえず毎週読んでますが、おとぎの世界というか、クリエイティブというか、一言でいうと「すっとんきょうなストーリー」が多くて面食らうこともしばしば。日本の絵本って、もっと大人にも理解できる世界だったように思うのですが。最近の絵本は変わったのかな。
そんな調子で、「オーストラリアの小学校の常識」がまったく分からなくて、ラースと私はますます不安になってきます(^^;)。
子どもたちは嫌がりもせず、毎日「グレード・ワン!」と喜んで通っているので、問題ないのでしょうが。なにより、私たち両親が忙しくて、宿題やら勉強やら、見てあげる時間がないことが気になります。
だいたい宿題やらせる時間がないってこともあります。放課後ケア(いわゆる学童保育)に迎えにいくのが5時すぎ。ゴハン食べてお風呂入ったら、もう7時になっちゃう。我が家の就寝時刻は7時です。遅くても8時にはベッドに入ってます。宿題なんかで夜なべさせるより、規則正しく毎日しっかり寝ることのほうが、よほど大切だと思うんですよね。睡眠時間が足りないと、すぐ不機嫌になるし、寝不足じゃ学校でも勉強に集中できないし。
そこで担任の先生に面談を申し込んだのですが・・・、「あはっ」と気が抜けました(^^;)。私たちはクラスのなかでも真面目に宿題やっているほうだったみたい。宿題っていっても、子どもと一緒にノートを広げて10分くらい過ごせば立派なもん、という。その程度のことみたいです。
「二人ともよくやってますよ」と言われて、「なーんだ、親の取り越し苦労だったのね」と一安心。
ついでに、私たちの知らない単語についても聞いてみたら、「たしかに、この単語リストは古いんですよ」とおっしゃってました。こちらも一安心(^^;)。
学期末のホーム・タスク発表会
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先日は、学期末のホーム・タスクという宿題をもらってきました。
「ダイラーマを作れ」というのですが、「ダイラーマって何? ダライ・ラマなら知ってるけど」と(^^;)。
もう、そこから躓く移民第一世代。恥ずかしげもなく、先生に聞きにいきましたよ。
ダイラーマというのは、要するに「箱庭」みたいなものらしいです。ダンボール箱などに、お部屋などのミニチュア版を工作する、と。
そのとき、ちょうど日本から遊びにきていた、おねえさんたちに一緒に作ってもらいました。助かった~。
そのダイラーマを見せながら、プレゼンテーションをさせるらしいです。そういや、プレゼンの練習はもうプリスクールの頃からやってますね。欧米人が人前で話すの得意なワケです。
親たちもダイラーマの発表会に招待されました。どう見ても親だけで盛り上がっちゃったなと思われる一大アート作品から、ただの箱におもちゃを貼り付けただけの、いかにも「手抜き作品」まで、それはそれはバラエティに富んでおりました。
そのダイラーマ発表会のあと、今まで勉強したノートやテキストを見せてくれたり(宿題以外は家に持ち帰らないので、私はここで初めて見た)、みんなで手話を交えて歌を歌ってくれたりして、「へー、ちゃんと学んでるんじゃん」と感心しました。
今、4学期中の1学期が終わろうとするところですが、既にアルファベットはすべて覚えて、どの単語がどのアルファベットから始まるか推測できるようになったし、簡単な単語だけのシンプルな本なら自力で読めます。
まー、だからナンだ?という気はするし、5歳の子どもに文字教える必要はなかろう、とも思うのですが(^^;)。先生の努力はたしかに実っています。
こんな具合で、小学校、親子ともども、けっこう楽しんでます(^^;)。
ふつうの地元の公立校なんですけど、オーストラリア社会の平均的な姿がかいま見られて、移民第一世代としては、そこがまた面白いです。
小学校がはじまってまもなく、リサがこんなことを言いました。
「今日ね、男の子たちに、『イエ~イ、カレン&リサのチビ、チビ~』って言われたの」
そう、たしかに、ウチの子たち、背が低いんです。ダディはデカイのに私の血を引いたのかな。
こりゃあ、さっそくイジメだね!と、母はちょっと戦闘体制に入ります(^^;)。
イジメられたときに、返すべき言葉、態度などについては、プリスクールで習っています。黙ってメソメソしてないで、堂々と自分の気持ちを相手に伝えることが大切です、と。
学校で描いた自画像
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「それで、あんたたちはちゃんと言い返したの? そういうこと言われると心が傷つくから、そんなこと言わないでって」と聞くと、
「ううん、言わないよ」 平然とリサ。
「だって、そんなこと言われたって傷つかないもん」
ほー、なるほどね!
別にチビだっていいもんね。
よくよく考えてみれば、傷つく理由はどこにもありません。
言われたほうが反応しなければ、イジメ甲斐がないからアホらしくなって冷やかし言葉も自然と止まるでしょう。
反応しない、これが最強のイジメ対策なのかも。
ただいま、プリンセス・ワールドにどっぷり浸かっております。
フェアリーとプリンセス
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コトの始まりは、プリスクールで演じた「眠れる森の美女」。
高い塔の上で眠っているプリンセスに、プリンスがキスをする。
そして二人は結婚し、happily ever after(いつまでも幸せに暮らしました、とさ)。
白雪姫といい、シンデレラといい、すべては happily ever after なのです。
私たちの結婚式の写真を見て、「マミィはプリンセス、ダディはプリンス」という概念が出来上がったようです。ウェディング・ドレスがプリンセス風なのでしょうね。彼女たちなりに、「いつも朝遅くまで眠っているマミィに、ダディがキスして、二人は happily ever after」というふーにストーリーが繋がったみたい(^^;)。
マミィとダディがラブラブなのは、子どもたちにとってはもう当たり前。そういう親の姿を見て、「こういうのをhappily ever afterというのだ」と潜在意識に植え付けられていくのかも。
カレンのネイルアート
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マミィがプリンセスなのはいいとして、自分たちもプリンセスになりたくてしょーがないのです。まずは、ドレスでしょ、クラウン(王冠)でしょ、メイクアップでしょ、ロングヘアでしょ、ネイルアートでしょ、、、と、プリンセス・ワールドは広がります。
よく「ウチの子は野菜を食べない」と心配するおかあさんの声を聞きますが、ウチでは野菜食べさせるの簡単です。
「野菜食べると、爪も髪の毛も長くなるよ~」と一言。これ、効きます(^^;)。
毎日鏡で髪の長さをチェックしては、「いっぱい野菜食べたから、ほら、こんなに髪長くなった」と、うれしそうなリサ。
「今日はニンジン食べたから、明日は爪伸びてるね」と満足げなカレン。
爪にこだわりを見せるのはカレン。ペンで色づけするくらいのことは3歳の頃からやってましたが、最近では「つけ爪」というのがあることに気づき(スーパーなどで見たのでしょう)、粘土でつけ爪作ってつけております(^^;)。
さらに、紙にまつげを描いて切り取り、まぶたの上にセロテープでくっつけるという、「つけまつげ」まで開発しています。この発想力には、マミィも感心。でも、はずすとき、痛いのが難ですね
(当たり前だ)。
こんな調子で、二人で一日中、飽きもせずプリンセスごっこしてますわ(^^;)。
ヒマさえあれば、プリンセスごっこ
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いわゆるオママゴトもやってます。母親役演じるカレンが「6時までには家に帰るのよ~」と言ったときはビックリしました。
ウチでは子どもだけで外出することはないので、そんなセリフ言ったためしがないのです。テレビも見ない、ゲームもやらない子たちなので、どこで覚えてくるのかな? もしかして前世の記憶か?!
そういや、いまだに二人してワケわからん語で話し合ってるときがあるんですよね。英語みたいだけど英語とは違う。
2歳の頃はギリシャ文字みたいの書いてたし。うーん、不思議だ。
ともあれ、家にいても二人で遊んでくれるので、親はこうしてヒマつぶしに育児日記なんか書いていられるわけです(^^;)。彼女たちは「We look after each other.(お互いに面倒見あう)」と言います。
そんなワケで、今まで大変だったけど、ようやく最近、双子のメリット実感しております。双子ってラクよ~(^^;)。
今年3月、デンマークからラースのお父さんがやってきて1ヶ月滞在してくれました。
一昨年前にも滞在したことがあるのですが、今回は子どもたちも大きくなってなついてくれたこともあり、さらに楽しい1ヶ月となりました。
ダディダディと仲良くしてます
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ラースのお父さんのことは我が家では「ダディダディ」と呼びます。デンマーク語では、おじいちゃんのことを「おとうさんのおとうさん」という意味で、「ファー・ファー」と呼ぶんだそうで。それの英訳で、ダディのダディだから、「ダディダディ」(^^;)。
ダディダディは英語まったく分かりません。私も子どもたちもデンマーク語まったく分かりません。でも大丈夫なの。楽しく一緒に過ごせます。
ダディダディに子どもたちをおっつけて、ラースと二人出かけてしまうこともあったけど、全然オッケー。ときどき、子どもが私たちのところに、「ダディダディ、英語わかんないから」と、相方のアンフェアな言動を訴えにやってきますが、それくらいでしょうか。
ダディダディとのホリデー
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週末にはこの近所のビーチや島などに遊びに出かけました。INTAツアーでも訪問した自然の宝庫ストラッディ島では、サンドボードをやってはしゃいだあと、ブラウンレイクに泳ぎにいったら、ダディダディも海パン一丁になって一緒に湖に入り、水をバシャバシャひっかけあって遊びました。
ラースのお父さん、おかあさんのことが大好きだったそうです。もうずいぶん前に亡くなってしまったのですが、それ以来、心を閉じてしまったようで、心から笑ったり、はしゃいだりすることがなくなっていたみたい。ここに滞在している間に、その悲しみが次第に溶け出して、心が開いていくのが、言葉の通じない私にもよーく伝わってきました。
空港でのお別れは寂しかったけど、感動的でもありました。次回は私たちがデンマークに遊びにいく番。再会が楽しみです。
最後に、カレンとリサのプロマイド(?)を掲載して、今回は さよなら、さよなら、さよなら♪
また、お会いしましょう!
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2006年04月01日:福島麻紀子
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